日本屈指の蒔絵師が稀少銘木・黒柿を贅沢に用い、健康長寿の願いを込めて
6つの瓢箪を施した傑作。
意表をつく小粋な仕掛けに驚嘆する芸術的印籠。
高蒔絵の瓢箪にはまばゆい螺鈿と金・銀彩!
■この紋所が目に入らぬか!時代劇でもおなじみの徳川光圀公が家紋を据えて携帯した印籠。実は、身分を示すための道具ではなく、印鑑や薬入れとして、長旅には不可欠な存在でした。この度ご紹介する『六瓢(むびょう)』は、稀少木・黒柿に漆を塗り、瀟洒(しょうしゃ)な蒔絵を施した傑作です。それも驚きの仕掛けが組み込まれており、隠し蓋を開けると花梨(かりん)製の引き出しが出現します。この引き出しは4段に分かれているため、薬などを小分けにして持ち歩くのにもたいへん便利です。芸術性と実用性を兼ね備える本作は、他の印籠とは一線を画す名品といえます。
粋なからくり!中には、花梨製の「引き出し」付き!
■素材の黒柿は何百年もの樹齢を重ねた柿の木の内部に、黒い縞や斑(まだら)模様が偶然現れたものをいいます。特に、虫食いや干割れのない黒柿は「千本に一本しか巡り会えない」とまでいわれ、本作はこの高品質の銘木を贅沢に使用。名匠・中村孝也(なかむら たかや)氏の拭き漆仕上げにより、黒柿の木目の美しさを最大限まで引き出しました。
■さらに目を見張らせるのは、高蒔絵によって立体的に表現された瓢箪の絢爛豪華さでしょう。金蒔絵の瓢箪には螺鈿がきらめく「御所車(ごしょぐるま)と松」を筆頭に、「舟に橋」「竹林」、反対面に「橋に松」「桜と竹林」「汐汲(しおくみ)」という吉祥模様が巧みに塗り分けられており、六瓢(六つの瓢箪)を形成。六瓢は病気がない「無病」に繋がることから、健康長寿や無病息災をご祈念いただけます。
無病息災!健康長寿、六瓢(6つの瓢箪)は無病を願います!
■貴重な黒柿に贅の限りを尽くした金銀彩の豪華な蒔絵。からくり仕掛けの複雑な構造から正絹紐の瓢箪根付までこだわり抜かれた名匠の作品とあれば、所蔵価値は計りしれません。日頃、懐に忍ばせてご愛用いただけば、ワンランク上の粋なお洒落をお楽しみいただけます。ぜひご愛蔵ください。作者銘・箱書き入り桐箱付き。限定5。
箱書き入り桐箱に納めてお届けします
作者銘入り
伝統加賀蒔絵師 中村孝也 略歴
昭和16年、石川県生まれ。人間国宝の川北良三氏、伝統工芸作家・川北浩一氏に薫陶を受けた父・中村義孝氏から直々に茶道具制作の手ほどきを受ける。その後、日展作家や有名賞作家を多数育て上げた豊島文洲氏に長年、師事する。自身は日芸展賞など数々の賞歴に輝くほか、海外の外相来日の際、その作品が裏千家により記念品として選ばれたほど。加賀蒔絵の伝統を受け継ぐ偉才である。