謹啓
　日頃、東京書芸館をご愛顧いただき誠にありがとうございます。この度は大好評をいただいている『仏徳の美』第14号をお届けいたします。さて本号では、未知なる感染症の世界的な拡大を受けまして、厄除け、疫病退散、無病息災を願う逸品を取り揃えました。また、このようなご時世だからこそ、なかなかお寺やお墓参り、法事に出かけられないというお声を多数頂戴していることも踏まえ、身近に仏様やご先祖様を感じていただける作品をご用意。この機会にぜひご所蔵いただき、貴方様のお手元やご自宅で大切なご故人様を心からご供養いただけることと存じます。
　まず、巻頭でご紹介するのが『厄除開運鬼大師』です。疫病終息を祈り続け、病魔を滅する鬼と化した慈恵大師良源の伝説を題材に、日本屈指の仏画師・國井道成師が本金箔手描きでしたためた掛軸。全国の名だたる寺院が認める仏画師が染筆した作品となれば、確かな所蔵価値をご実感いただけるほか、拝する度に多大なご加護をご祈念いただけるでしょう。良源と同様に数多くの霊験譚が残る弘法大師空海が一二〇〇年前に開いた四国八十八ヶ所の名品にも注目です。『四国八十八ヶ所の文化遺産 全90種コンプリート切手額』は、眺めているだけでお遍路さんとして旅しているような感動が込み上げるふるさと切手コレクション。平成16年より発行された新品未使用シート5枚が一挙に揃うため、格別な所蔵価値をご実感いただけます。
　このほかにも名品傑作がめじろ押し。『豊穣善神雨宝童子』は現代仏教彫刻の権威にして、奈良を代表するキャラクターである「せんとくん」をデザインした籔内佐斗司氏が自ら手掛けた傑作。温かみに力強さ、ユーモア…籔内佐斗司らしさが如実に表れた一点ものです。『龍神桜観音』は大人気の仏教美術画家・丸山寿美氏が点描で描いた傑作。一輪の桜を手に携え、鮮やかな極彩色の衣装をまとった観音様の幻想美に、ただただ酔いしれます。
　別紙でご紹介している『不動明王大判・小判』は大注目の黄金芸術。世界的な大不況により純金の価値が高騰を続けるこのご時世だからこそ手にしていただきたい有事の純金作品です。国宝復元に携わる日本屈指の金工師・松井正光氏が彫金技術の粋を尽くして謹製いたしました。『瑞龍』『瑞鳳』は京都の熟練職人たちが手掛けた永続する清音を奏でる砂張おりんの傑作です。いずれも災厄や病魔を取り除き、大願成就を祈念し、ご故人様をご供養いただける名品ばかり。仏教美術としてもこれ以上の作品はございません。ぜひともこの稀なる機会をお見逃しないようお願いいたします。
謹白