謹啓

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。この度は「豪商列伝」と題しまして、日本の政治・経済を動かすほど巨大な財を成した歴史的富豪たちが愛した芸術品を一堂にご紹介いたします。現在も一族の名前を冠に持つ美術館財に国宝・重要文化財クラスの至宝を収蔵する大企業が存在するように、彼らの所持した作品には莫大な富が費やされています。ぜひ、彼らが味わった愉悦をご堪能ください。

まず本号でご注目いただきたいのが、門脇裕二氏が生み出した琥珀地美しい江戸切子「クリスタルオールドグラス」ペアセットです。この伝統のガラス芸術はビイドロ屋·加賀屋久兵衛が透明なガラスに砂を付け、ヤスリで研磨したことが始まりといわれ、豪商など富裕層向けの芸術品として用いられました。江戸の伝統技術を受け継ぐ門脇氏は東京の伝統工芸品をたたえるチャレンジ大賞で5年連続受賞を重ねた人気作家。江戸切子の醍醐味である細やかなカッティングは息をのむほどの美しさです。高級ブランドと同等の品位である酸化鉛24%のクリスタルガラスで味わうお酒は最高に美味であると存じます。

このほか、紺綬褒章受賞作家・福井江太郎氏の純金箔とラピスラズリがまばゆい本画「悟」をはじめ、驚愕の価値を誇る作品をご案内しております。頒布は先着順です。ご希望の方はお早めにお申し込みください。

謹白