穏やかなご尊顔、流れるような天衣、麗しく輝く装飾品。
最上級の黒檀を繊細精緻に彫り上げた御仏をお届けいたします。
尖刀や平鑿を使い分けることで生み出された究極の造形美!
■人々の求めに応じ、自在に姿を変え、いかなる時も救いの手を差し伸べてくださる『聖観音』。本作は工芸美術師・鄭剣委氏が銘木黒檀を彫り上げた麗しのご尊像です。氏は硬質な唐木を彫り出す作品に定評があり、国内外で数々の栄誉に浴す偉才として名声を博しています。錐のように細い尖刀や、滑らかな曲線を生む平鑿などを使い分ける手技は、神の領域と言っても過言ではありません。
■慈悲心に満ちあふれた、たおやかなご尊顔をご覧ください。そのご様子は衆生の声に耳を傾けているようです。高く結った髻には、化仏を配した宝冠をいただき、肩まで流れる髪は一本一本、超細密に表現。左手には清浄の証である未敷蓮華を手にしています。手足の指に至っては爪まで彫り込まれており、木彫の限界に迫る完成度は思わずため息が漏れるほどです。
背面まで一切隙のない彫りが施されています
■御身は肩から足元まで流麗な天衣が美しく流れ、優雅な雰囲気を演出。まるで浄土を表すような蓮華座に佇むご様子は実に麗しく、後光を示す光背は見事な宝珠形の二重円光に象られています。
手に携えるのは清浄 を示す未敷蓮華
総高80㎝の圧倒的存在感!
■名匠が黒檀を総手彫りした傑作とあれば、所蔵価値は格別です。今回は、総高80㎝もの特大黒檀彫刻を、17万円を切るお値打ち価格でご用意いたしました。一族隆盛と安寧の願いを託し、東京書芸館オリジナル作品を末長くお祀りください。今回頒布は限定20。
作者銘入り
唐木の王様 黒檀
唐木の王様・黒檀が輸入されるようになったのは、七世紀の遣唐使船を通じてのこと。この頃からたいへん珍重され、当初は万能薬として輸入されたと伝えられています。後に、仏像や建造物に使用されるようになったのは、魔除けの力が宿ると信じられていたためです。
黒檀は極めて重く硬質で、釘を打つことさえ難しい素材です。一般的なノミやカンナで削ることさえ至難の業とされていますが、本作のように熟練職人の手にかかれば、彫刻後の木肌は絹のような滑らかさとなり、艶やかな光沢を帯びてくるという特徴があります。
仏教彫刻を極めた偉才 工芸美術師 鄭剣委 略歴
1985年、中国福建省生まれ。木彫一家に育ち、幼少の頃より彫刻に慣れ親しむ。十代の頃から熟練彫刻師に師事、20年以上の彫刻経験を積み重ねる。緑檀・紫檀・花梨など硬質な木材を用いた仏教彫刻を得意とし、中国国内外の展覧会において数々の賞を受賞、2005年には若干20歳にして工芸美術師の栄誉称号に浴す。いま最も注目される偉才である。