平山郁夫『シルクロードを行くキャラバン』(西・月)
平山郁夫『シルクロードを行くキャラバン』(東・太陽)
黄金色に輝く太陽のもとを進むキャラバン隊を描く『東』
深く澄んだ平山ブルーが魅せる月と砂漠が美しい『西』
悠久のロマンあふれる平山芸術の集大成 !!
シルクロード探訪50周年の偉業を祝す大傑作
故平山郁夫画伯
■ 文化勲章受章作家にして、世界美術史に燦然たる名を刻んだ平山郁夫画伯。創作活動の傍ら、文化財保護活動に尽力するなど美術史を超える偉業を成し遂げた日 本近代絵画の巨匠です。画伯は少年時代に被爆を経験したことから、平和への祈りを込めた「仏教伝来」を生涯の画題として描き続けました。絵に注ぎ込まれた 精神は日本のみならず世界をも魅了。平成3年にフランスの芸術文化勲章を平成9年にはユネスコ金メダル表彰の名誉に浴したほどです。そして、平成28年は画伯が初めてシルクロードの地を訪れてから50周年にあたります。この佳節と偉業を寿ぎ、平山芸術の集大成である「大シルクロード」の傑作をお届けします。
■『シルクロードを行くキャラバン』は平成17年、日中平和条約締結30周年記念の北京展に出品された晩年の大作。平山画伯は三十数万キロに及ぶ仏教伝来の 道・シルクロードを130回以上にも渡り取材を重ねました。それはまさに、今から1400年ほど前、天竺まで求法の旅に出た玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)の追体験そのもの。シルクロードについて画伯は「絹の道という優雅な名称とは異なり、たいへん厳しい道である。そして、私は長大な道の中でも砂漠地帯 に心ひかれるものを覚える」と厳しさの中に秘められた魅力を語っています。
黄金輝く「太陽」と平山ブルーが静寂を伝える「月」
■本作は過酷な砂漠を進むキャラバン隊を描いた傑作です。画伯がよくモチーフとするラクダは「砂漠の舟」と呼ばれ、シルクロードを往き交う旅人には欠かせな い交通手段。ラクダを率いるキャラバン隊は東西交易の象徴であり、未知の国々や異なる文化、そして人と人を結ぶ平和の象徴でもあったのです。
■『東・太陽』は黄色、橙色、黄金色、茶褐色が溶け合うように重ねることで、灼熱の大地の厳しさを描いています。朝日を浴びて浮かび上がるキャラバン隊。その陰影は長く伸び、筆舌に尽くし難い旅情を伝えるとともに、太陽に照らされた黄金の砂漠は仏様の光明のような神々しい輝きを放ちます。
■『西・月』は画伯の真骨頂である「平山ブルー」を限りなくご堪能いただける作品。ラピスラズリのような群青の深くどこまでも澄み切った砂漠は、ラクダの足音だけが響く静寂の世界が広がります。夜空に輝く金色の満月と満点の星はまさに絶景。砂漠ならではの気温が急激に下がる空気までも感じられることでしょ う。
「太陽」「月」並べてこそ感動が込み上げる連作
■本作は大塚巧藝新社の高精細多色刷りと岩絵具手彩色仕上げにより原画さながらの完成度を実現。熟練絵師が岩絵具や金泥で一作一作、丹念に手彩色を施すことで、刷りだけでは表現できない質感や風合いまでも再現した巧藝画です。
『東・太陽』と『西・月』を並べてお飾りいただけば、シルクロードの壮大な悠久のロマンをお楽しみいただけることでしょう。額面裏に平山家の正式承認印と限定番号入りの奥付つき。天然木に金泥仕上げを施した特製額入り。
額裏面には著作権者の承認
印と限定番号入りの奥付
さ らに今回は特別に平山家監修の最新画集「平山郁夫自伝的画文集抄 道遙か」をもれなく無料進呈いたします。単品でもお求めいただけますが、平山郁夫シルクロード探訪50周年を記念した、2万8000円以上もお得な連作 セットもご用意。東京書芸館が他社様に先駆けていち早くご紹介するこの機会をお見逃しのないようお願いいたします。画伯が遺された偉業の記憶とともに、末長くご愛蔵ください。
文化勲章受章作家 元日本美術院理事長 平山郁夫画伯 略歴
昭和5年 広島県に生まれる。
昭和20年 原爆を目撃、被爆する。
昭和27年 東京美術学校卒業。前田青邨に師事。
昭和28年 作品『家路』で院展初入選。
昭和34年 第44回院展に『仏教伝来』 を出品。
昭和35年 第45回院展に『天山南路 夜』出品。この頃より仏教伝来、シルクロードのテーマを描く。
昭和36年 第46回院展『入涅槃幻想』で日本美術院賞受賞。東京国立近代美術館買上げ。
日本美術院特待推挙。
昭和41年 中世オリエント遺跡学術調査団に参加。初めてシルクロードを訪れる。
昭和53年 『画禪院青邨先生還浄図』で内閣総理大臣賞受賞。
昭和55年 奈良薬師寺玄奘三蔵院の壁画制作に取り組む。
昭和56年 日本美術院理事となる。
昭和58年 第1回東京芸術大学敦煌学術調査隊に参加。
昭和61年 NHK「大黄河展」取材のため中国旅行。
昭和63年 ユネスコ親善大使。文化財保護振興財団理事。
平成元年 日本楼蘭学術文化訪問団団長として楼蘭遺跡を訪問する。この時の感動が、後に『楼蘭遺跡を行く』などの優れた作品を生むことになる。東京芸術大学学長に就任。
平成2年 ボロブドゥール遺跡と海のシルクロード取材のためインドネシア訪問。
平成3年 フランス国立ギメ東洋美術館において、「平山郁夫シルクロード展」開催。
フランス政府より芸術文化勲章を受章。
平成4年 日中国交正常20周年会議出席。早稲田大学名誉博士となる。
平成5年 文化功労者。
平成8年 日本美術院理事長に就任。
平成9年 世界文化遺産への貢献によって、ユネスコ金メダル表彰を受ける。
平成10年 文化勲章を受章。
平成11年 米国のスミソン賞を受賞。
平成12年 奈良・薬師寺に『大唐西域壁画』完成。
平成16年 平山郁夫シルクロード美術館が開館。
平成17年 今回ご紹介の『シルクロードを行くキャラバン東・太/西・月』を「大シルクロード」作品として発表。日中平和条約締結30周年記念の北京展に出品。
平成18年 平山郁夫シルクロード美術館に「大シルクロード」第三作『パルミラ遺跡を行く』を発表する。
平成21年 12月2日、79年の生涯に幕を閉じる。
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