空間を包み込む荘厳な音色、永続する残響――。
寺院の厳かな世界をご自宅でご堪能ください。
高岡銅器だからこそ実現!寺院の梵鐘を小型化した法具
■寺院の梵鐘や銅羅などに用いられてきた歴史を有する「唐銅」。銅に錫と鉛を加えた合金で、叩くと清らかな音色を放ち、長く続く残響を生み出すことで知られています。この度ご紹介する『喚鐘』は、二代目中村宗光氏が400年以上の伝統を誇る高岡銅器の匠の技で完成させた唐銅製の鳴り物法具です。
■中村氏はこの道50年を超える高名な鋳物造形作家で、鋳銅製の湯釜や建水、花器制作のプロフェッショナル。本作ではその実力をいかんなく発揮しています。鐘の表面をご覧ください。深い暗緑の地には、鋲のような円形の文様「累座」が等間隔に並んで表現されています。これは茶の湯で用いられる湯釜を彩った伝統装飾です。さらに、紐をくくり付ける上部の龍頭、下部にある精緻な撞座まで美しい装飾を実現できたのは、氏が持つ超絶技巧あってこそといえます。
日々の生活に潤いをもたらす、伝統の鳴り物芸術
撞木で打ち鳴らせば、どこまでも染み入るような清音が響き渡ります
■『喚鐘』とは寺院の梵鐘を小型化させた法具。古来、寺院では僧侶らを集合させたり、次に行うべきことの合図とされ、茶の世界では客人に茶席の用意が整ったことを知らせるために鳴らされてきました。木枠に吊るされた本作を撞木で鳴らしてみてください。空間は凛とした雰囲気に包まれ、清らかな心持ちが込み上げてくることと存じます。
撞座(つきざ)に向けて打ち鳴らしてください
■朝に鳴らし、朝食や起床時刻をご家族に伝えるほか、仏前に飾る仏教芸術、清らかな音色で除災招福を願う縁起物としてのご所蔵もお勧めです。和室や玄関などに潤いをもたらす妙なる清音を響かせて、寺院や茶席の厳かな世界をご体感ください。桐箱入り。今回の頒布は限定15。
喚鐘と撞木は箱書き入り桐箱に納めてお届けします
日本が誇る銅器の一大産地
高岡市(高岡銅器)
富山県高岡市は日本有数の鋳物の町。特に銅鋳物では約90%のシェアを誇る。その歴史は古く、慶長16年(1611年)、加賀藩主の前田利長が町の繁栄をはかるため、鋳物師を呼び寄せたことに始まる。当初、高岡で作られたのは日用雑器や農機具などの鉄鋳物であったが、江戸時代後期には仏具や梵鐘などの銅鋳物が盛んになった。明治時代になると政府は明治6年(1873年)のウィーン万博に出品する金工の製作を高岡に依頼。国の威信をかけていたため、莫大な国費を投じて日本の銅器技術を世界に知らしめた。