空間に響きわたる妙(たえ)なる音色、長く美しい清らかな余韻―――。
使い込むほど音が良くなる名品
砂張おりんは他の金属おりんとは比べ物にならないほど、妙(たえ)なる音色を響かせる鳴り物仏具。ひとたび打ち鳴らせば、清らかな余韻が長く続き、大切な祈りの空間を優しく包み込みます。また、砂張おりんは長年使い続けることで「鳴り上がる(音が良くなる)」といわれ、御仏壇に末長くお祀りできる仏具として代々大切にお伝えいただけます。
砂張とは銅に錫を多く含ませた金属で「佐波理」とも呼ばれます。錫の量が多いほど美しい音色になるものの、鋳造段階で壊れやすく、金属鋳物の中で最も高度な技術が必要であるとされています。
本作『富貴』は京都の熟練職人たちが手作業に手作業を重ね制作した渾身の傑作。まず180年以上の歴史を持つ、南條工房の六代目・南條勘三郎氏が、伝統の「焼型鋳造法」を駆使。手作りの鋳型に砂張を流し込み、冷え固まった後、削りと磨きを繰り返して、おりんの形と音律を整えます。その後、表面に漆焼き付けを施し、皇室献上を賜る京蒔絵師・下出祐太郎氏が、富貴吉祥を願う紅白牡丹を描き込みました。漆黒に浮かぶ蒔絵の牡丹は荘厳に輝き、おりん全体の風格と気品を際立てています。
ご親族が集まる場にふさわしい逸品
■御仏壇にお祀りになり、りん棒で打ち鳴らせば、妙なる音色が仏様の耳にも届き、ひいては大切なご故人様の心にも寄り添うことでしょう。日々のお勤めをはじめ、ご親族が集まるお盆やお彼岸などの仏事にもふさわしい逸品です。職人たちが魂を込めて作り上げた仏具の集大成を、この価格でお手元に置ける機会は今しかございません。今回は10点限りでご用意。他ではお求めいただけない弊社限定作品ですので今すぐご所蔵ください。
類稀なる技術により本作を作り上げた京の二大巨匠
京の名工六代目 南條勘三郎
80年の伝統が息づく、入魂の「焼型鋳造法」
昭和21年、京都市生まれ。昭和44年、父にして5代目の南條勘三郎に師事し、鋳物の道に入る。平成19年に6代目を襲名。翌年、京の名工として知事表彰を授かる。氏の南條工房は「天保10年南條勘三郎作」の銘が入った祇園祭の囃子鉦が伝わるほどの老舗であり、180年以上の伝統技法で仏具を作り続ける。
京蒔絵師 下出祐太郎
皇室献上作家の手描きが光る、繊細な「蒔絵技法」
昭和30年、京都市生まれ。昭和52年、漆芸家の東端眞筰、佐治賢使に師事。平成9年度京都市芸術新人賞、日展20回連続入選など多くの受賞歴を誇る。皇室の即位の礼や大嘗祭、第61・62回伊勢神宮式年遷宮の蒔絵作品を手掛けたほか、60点もの漆工芸品を迎賓館に贈呈した国の伝統工芸士。
伝統と長きにわたる研鑽によって積み重ねられた伝統技法
型作り
型焼き
鋳造
切削加工
塗り