■なんと清らかで心洗われる観音様なのでしょう。たおやかなご尊顔、透き通るような肌、淡い白や薄紅、緑色で御身を包む御服の壮麗な色彩。さらに神々しいお姿を華麗に演出するのは、功徳水の滴をきらめかせながら、はらりと舞う透明な花びらです。水晶のように輝きながら、ひとひら、ふたひらと落ちる慈悲のしるしは御仏の足元に貯まり、膝まで届く池となっているではないですか。ご尊顔の後ろには水面を宝石のように照らす満月のように薄らと黄色く色付いた後光。麗しき美の世界は仏界とはかくたるやと思わせるほどです。
「浄土には七宝の池が複数あり、人間の煩悩を払い、健やかな日々を授けるさまざまな功徳水で満たされていると伝えられます。水は汚れや濁りを清め、潤いや安らぎを授けてくださります。これは観音様の一切衆生を解き放つという願いです。本作をお祀りいただき、慈悲心を感じ取っていただければ幸いです」