幻想的な雰囲気を醸す花びら !
透明感あふれるきらめきは絶世です
■なんと清らかで心洗われる観音様なのでしょう。たおやかなご尊顔、透き通るような肌、淡い白や薄紅、緑色で御身を包む御服の壮麗な色彩。さらに神々しいお姿を華麗に演出するのは、功徳水の滴をきらめかせながら、はらりと舞う透明な花びらです。水晶のように輝きながら、ひとひら、ふたひらと落ちる慈悲のしるしは御仏の足元に貯まり、膝まで届く池となっているではないですか。ご尊顔の後ろには水面を宝石のように照らす満月のように薄らと黄色く色付いた後光。麗しき美の世界は仏界とはかくたるやと思わせるほどです。
■この度ご紹介する『功徳』は稀代の女流画家・鈴木優莉氏が一筆一筆、丹念に絹本にしたためた肉筆画。氏は優しく、心安らぐ画風で多大な名声を博しています。中でも仏教を題材とした作品は愛好家を魅了。その最大の魅力は幻想的な雰囲気を醸し出す色遣いにほかなりません。背景と池の青が観音様のご威光によって濃淡を微妙に変える様子をご覧ください。後光から遠ざかるにつれ、青の濃さを増すグラデーションは絶世です。
また、功徳水を乗せた花びらが浮かび、薄く黄金に染まった水面(みなも)は恍惚となるほど。風にふわりと浮き上がる柔らかな羽衣は御仏の心のように汚れない清らかさを発散し、御服の色彩は優しげなお姿にふさわしい華やかさです。
恍惚となる羽衣の透明感
えんじの御服に金色で描かれた華麗な模様
■鈴木氏は本作へ込めた思いをこう語ります。
「浄土には七宝の池が複数あり、人間の煩悩を払い、健やかな日々を授けるさまざまな功徳水で満たされていると伝えられます。水は汚れや濁りを清め、潤いや安らぎを授けてくださります。これは観音様の一切衆生を解き放つという願いです。本作をお祀りいただき、慈悲心を感じ取っていただければ幸いです」
「浄土には七宝の池が複数あり、人間の煩悩を払い、健やかな日々を授けるさまざまな功徳水で満たされていると伝えられます。水は汚れや濁りを清め、潤いや安らぎを授けてくださります。これは観音様の一切衆生を解き放つという願いです。本作をお祀りいただき、慈悲心を感じ取っていただければ幸いです」
※香炉はイメージです。
箱書き入り
■和室や床の間を気高く彩るあまりに美しい掛軸。仏画としてはもちろん、一流の芸術絵画としてお客様にお披露目すれば、いまだかつてない透明感あふれる世界にさぞや驚かれることでしょう。薄紅に染まった清浄の象徴・蓮花を携え、福徳を授けるとされる印相(いんそう)を結んだ華麗なる観音様。お祀りいただけば、ご尊家の家格も高まることと存じます。作者銘入り。箱書き入り太巻桐箱付き。他社様ではお求めいただけない東京書芸館オリジナル作品をぜひこの機会にご所蔵ください。
華麗なる色彩の創造者 鈴木優莉 略歴
昭和43年岐阜県生まれ。花鳥図や古典意匠、人物画、動物画を得意としており、第5回前田青邨記念大賞において入選など、数々の賞歴を誇る。現在は墨彩会会員。女性らしい柔和な画風が話題を呼び、個展を開けば常に長蛇の列ができるほど。岐阜県の豊かな自然に囲まれ、創作活動に励んでいる。