■王女でありながら清貧(せいひん)を愛し、人々を救済した慈愛(じあい)の聖女・エリザベス。本作はイタリアで語り継がれる、神に愛されし聖女が起こした奇跡の物語を像として表現した逸品です。
■ある日、エリザベスは貧しい人々に分け与えるための食料を城から持ち出そうとします。パンや肉などを詰め込んだマントを抱え、いざ城を出ようとすると、 領主である夫と鉢合(はちあ)わせ。「何を持っているのだ。見せよ」と詰め寄られました。大切な食料を持ち出そうとしたことが発覚すれば、いかに王女とい えど、ただではすみません。ついに、エリザベスのマントが暴(あば)かれると──。食べ物は、今まで見たこともないほど美しい薔薇(ばら)に変わっていま した。以降、聖エリザベスの肖像画には、たくさんの薔薇が描かれることになったといわれます。
■神様も救いの手を差し伸べた聖女が起こした奇跡の瞬間を手彫り。真紅(しんく)の薔薇や青いマントなど鮮やかな色彩で仕上げた優しい雰囲気の逸品です。