琳派の巨人・本阿弥光悦が茶の世界に起こした革命と奇跡の美。
楽焼の伝統技にて日本の至宝が今ここに蘇る!
琳派の創始者・本阿弥光悦。「寛永の三筆」と称されるほど書に優れ、楽焼の頂点を極めるなど、幅広い分野で才能を発揮した偉人は、徳川家康から京都洛北の鷹ヶ峰の地を賜り、芸術村を営んだほど。この度ご案内する『光悦写し茶碗傑作三選』は楽焼の伝統を受け継ぐ佐々木昭楽氏が光悦に崇敬の念を込め、国宝、重要文化財を復刻した白楽、黒楽、赤楽の名品。「陶器を作る事は余は、翁(楽家の総領)に勝れり」―。こう言ってのけた光悦の陶芸には収まらない美意識をご実感いただけます。
本三作は轆轤を使うことなく、手とヘラだけで成形されており、「五岳」と呼ばれる5つの山のような高低差が口縁にあります。これは美と同時に碗の縁に茶杓などを乗せた時の落下を防ぐため。また、窯出し後、急速に冷やす急温急冷という技法は独特の深みと温もりを生み、茶溜まりの窪みは飲み干した後の残りが自然に集まるよう、見栄えを良くする芸術力の結晶です。
すべて作者銘入り。袱紗付き。
箱書き入り桐箱に納めてお届けします。
三種揃えをお求めの方に「黒檀調二段飾り棚」を無料進呈!
三種揃えでご購入の方には、黒檀調二段飾り棚を無料進呈。この機会にご愛蔵いただき、贅沢なお茶のひと時をお過ごしください。
各作品の説明は下記にてご確認いただけます。
・国宝 不二山 [白楽]
・重要文化財 雨雲 [黒楽]
・重要文化財 雪峯 [赤楽]
火の偶然が生んだ振袖茶碗
光悦が娘を嫁がせた際、支度の代わりにと制作した天下の名碗。持参する際、振袖に包んだことから振袖茶碗と呼ばれます。光悦は白焼茶碗を意図して作陶しましたが、窯から出てきたのは白と黒に二分割された片身替わり。作銘は雪の掛かった富士山に見立てながら、二度と生まれない出来映えに基づくと伝えられます。紆余曲折を経て、姫路藩主・酒井忠学の手に渡り、以後は酒井家が継承。二つある日本産の国宝茶碗のうちの一つです。
黒釉をへらで削った荒々しい緊張の世界
豪商・冬木家から、かの三井家へ伝わった至宝。書家として名をなした光悦は釉掛けや焼成の指南を仰ぐため、楽家二代目・常慶の門を叩きますが、たちまちその壁を乗り越え、自らの芸術力との融合を実現。そして、この黒楽碗を生み出します。茶の素地を露わにするへら削りの様子は雨雲から激しい雨が降り注いでいる光景そのもの。どの方向から見ても違いがあり、荒々しい美と緊張感を醸します。
火割れを金で繕った革命作
真似事を嫌った茶人・古田織部。光悦はこの型破りな人物に作陶を学びました。そして、革命的な作品を生み出すのです。それが雪のように派手な白釉がかけられたこの赤楽碗です。特徴はかの有名な大きな火割れを繕った金粉。破棄されるほどの割れを芸術へと転換させたのは光悦が元祖です。また、内側に巻き込んだ口縁は過去に類を見ません。碗の概念を覆した歴史的傑作です。