生命の木 緑檀
幹の辺材は淡い褐色。
芯材は、緑褐色
■ 神秘の木《緑檀》。学名は「リグナム・バイタ(Lignum vitae)」。中南米に自生するハマビシ科の広葉樹です。木の繊維がとても緻密なためか、成長はたいへんに遅い小型の樹木で、樹高は約3m、直径は 30cm程にしかならない貴重な木です。リグナム・バイタというラテン語は「生命の木」を意味し、その樹液はかつて万病に効くとされ、欧米でも非常に高値 で取引されてきました。
■黒檀、紫檀とともに、高級な檀木とされる緑檀。時とともにさまざまな色に変化する銘木です。色彩そのものに、自然な安らぎを覚えるとともに、次第に深まる色に、「生きている木」「生命の木」の神秘が、実感できます。
生命の木、成功の木__。幸運を呼ぶ《緑》の観音様
■ 高さは90cm。いまご覧になっているこの写真よりも、実際の作品は、さらにひとまわりも、大きいのです。その素晴らしい陰影と光沢と色合いには、言葉も ありません。丹念に磨き上げられた翡翠のような底光りする神々しい輝き。稀少な天然木《緑檀》ならではの高雅で壮麗な存在感です。
本作品は《緑檀》一木彫りによる『龍鳳観世音菩薩』。他のどんな素材でも決して表現できない、緑檀ならではの重厚な魅力にあふれています。
■龍鳳観世音菩薩は、《天》を司る鳳凰と《地》を支配する龍を従えた、力強い威徳に満ちた観世音菩薩。 不死鳥と言われる鳳凰の《天の徳》は、長寿と健康を。そして龍のもたらす《地の徳》は、財運、成功運、力強い生命力を与えます。
宇宙を支配する二大吉祥の神獣を自在に動かし、衆生を救済し、願いを叶える最強の観音様です。
■ 心持ち微笑む御尊顔は、高貴なまでに、つややかに輝いています。半眼の目元、ふっくらとした口元はどうでしょう。右の御手の水瓶は、聖水をたたえ、仏の慈 悲の滴。左の御手の払子は、魔や煩悩を払う法具。流麗にひるがえる天衣。細部まで、硬質で緻密な緑檀を達意の技で彫り込んだ凝縮した表現力が、見事です。
翡翠のような観音様が現れる!生きている木《緑壇》の不思議
蓮の花弁や茎など細部も見事
■黒檀や紫檀とともに高級な檀木とされる《緑檀》は、中南米に見られる稀少な植物です。ラテン語の学名は「リグナム・バイタ/生命の木」。
コロンブスの新大陸発見とともにヨーロッパにもたらされ、高価で取引きされたため、十六世紀ドイツの大富豪フッガー家の富の源泉となったとされます。幸運をもちらす《成功の木》としても知られます。
■ この《緑檀》の『龍鳳観世音菩薩』には、他の木彫の観音様とは違う、不思議な特徴があります。それは、御身の色が、日々、微妙に変化していくことです。色 合いが、時が経つにつれ変化し、中には、翡翠のような鮮やかな色を帯びることすらあります。毎日、その静かな変容を拝していると、まるで観音様がそこに息 づき、尊い御心が宿っているかのように思われます。
緑壇を熟知する俊英 林剣斌の卓技なる彫技による傑作
■ 作者は、中国仏教彫刻界の俊英林剣斌氏。林氏は、極めて緻密で硬質なため、彫刻しにくい緑檀を、自由自在に象ります。本作品は、高級緑檀の中心部の貴重な 芯材を厳選。特別な性質を大切にして、原木の保存から乾燥、彫刻、仕上げまで、丹念に制作過程を進めます。質感や素材感の魅力が最大に生かせるよう、林氏 は特殊な技法で、丹念に彫りあげています。
■ 幸運を呼ぶ《成功の木》、《木の宝石》と讃えられる緑檀一木彫りの『龍鳳観世音菩薩』。東京書芸館からだけの逸品です。最近、緑檀彫刻がたいへん注目され ていますが、これだけの高品質の緑檀を贅沢に用いた、芸術性の高い大型仏教彫刻作品を、このお得な価格でご提供できるのは、東京書芸館のみ。ご尊家の守護 仏として、ぜひこの機会にご所蔵ください。
鳳凰の徳、龍の力、観世音菩薩の慈悲心。すべての吉祥を一身に体現した傑作。
本 作品『龍鳳観世音菩薩』は、一木彫りならではの流麗な造形が、強い印象を与える傑作で す。天上の風に翻るような天衣の襞、ほっそりとした優美な茎を伸ばし、可憐に花を開く蓮。作者 林剣斌氏の踊るような彫刻刀さばきが目に見えるような、立体感あふれる造形力です。寿命ある一本の緑檀の木が、観音様のお姿として、新たに永遠の生命を獲 得したとき、素晴らしい存在で、見る者を魅了します。
《観世音菩薩の円光に舞う、華麗なる鳳凰》
素晴らしい円光の上に鳳凰が舞っています。頭部や翼、とりわけ尾羽の立体感ある彫り込みはいかがでしょう。これだけでひとつの作品といえます。
《うねるように身を踊らせる、龍の雄姿》
かっと目を見開き、口を開いた勇猛なる龍。尖刀、螺旋刀など、専門的な彫刻刀を自在に駆使して、鱗や髯まで、硬度の高い緑檀で彫刻しています。緻密な素材だけに、深みのあるつやも見事です。
細部まで丹念に彫り込まれた吉祥の意匠
《慈悲の心・蓮の花》
蓮は、観音様の象徴です。一枚一枚の花弁のみならず、蓮の花の中心部、優美に伸びた茎までも、巧みに彫り上げられています。
《煩悩を払う、払子》
高僧が持つ法具のひとつ。もともとは虫などを払う麻製の道具でしたが、仏教の教えとともに、煩悩や魔を払う特別な意味に。ふさふさとした毛先や、指先の表情まで、くっきりと彫刻。
《生命の源・水瓶》
左の御手に携えられているのは水瓶。聖なる生命の水を入れた器で、衆生を救います。ふっくらとした御手の指や、天衣の襞も流麗です