聖人がおわすかのような臨場感
愚禿親鸞(ぐとくしんらん)
八十五歳の文字も純金箔
■これぞ親鸞聖人(しんらんしょうにん)のすべてが凝縮された一幅といっても過言ではありません。凛とした面貌(めんぼう)をよく写した聖人像は奈良国立博物館が所蔵する重要文化財「熊皮御影(くまがわみえい)」。
さらに親鸞聖人自筆の名号「南旡阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と、「教行信証」の末尾にある「愚禿親鸞(ぐとくしんらん)八十五歳」の文字は輝かしい純金箔仕上げ。拝するほどに聖人のご威光がその身に伝わるほど格式高い一幅です。聖人がそこにおわすかのような臨場感は、日本屈指の仏画師による手描きでしか 味わうことができません。
仏師号を賜る名匠の成せる技
法橋とは、平安時代後期より天賦(てんぷ)の才に恵まれた芸術家のみに与えられた僧位の第三位。氏の仏画は高野山、善光寺や比叡山延暦寺(えんりゃくじ)、 総持寺(そうじじ)など、各地の古刹・名刹に奉納されるほど格式があります。御姿を捉えるだけでなく、仏心までも画に内在させることができるのは「法橋」 を賜った氏だからこそ為し得るのです。
■本画の格調をより高める表装は、熟練の表具師による仏仕立て(真の行)京表装、太巻き仕様。総縁は貴 船緞子(きふねどんす)、中廻しには豪華な上金襴(じょうきんらん)。軸先は本金鍍金(ときん)という手間を惜しまず表装された輝かしい本作。床の間を飾 る掛け物としてはもちろん、仏事にお飾りいただくにもたいへん格調高い一幅です。
ご所蔵いただけば「法橋」のあつい信仰心が描き上げた芸術性に圧倒されることでしょう。書画一体となった稀に見る名品を、今すぐご所蔵ください。