威風堂々たる雄姿に美しい毛並み。
肉筆だからこそ描ける大迫力の猛虎に、思わず息をのむ
縦180㎝の双幅掛軸。
迫力満点、色鮮やかな猛虎が眼前で躍動!
■すれ違いざまに振り向き、目と目が合ったその瞬間――。鋭い眼光で威嚇の表情を浮かべ、牙をむき出し、咆哮をあげて対峙した二頭の虎。物語性を感じさせる圧巻の構図はあまりにも写実的で、生きているのかと見まがうほどの迫力に満ちています。
■『猛虎対峙図』は中国で優れた画才を持つ者にのみ与えられる「工筆王者」の称号を有し、虎を描かせたら右に出る者はいないと評される画家・楊鴻港氏による大傑作。すべて肉筆により一筆一筆、色鮮やかに描かれる虎は、今にも動き出しそうな臨場感にあふれています。虎特有の縞模様やピンと張った髭、全身を包み込む美しい橙色の毛並みは、一本一本柔らかい質感まで伝わってくるほどです。墨を基調とした背景に、岩をも砕く爪を立て、どっしりと身構える雄姿も見事というほかありません。厳しい大自然の中を生き抜く、勇猛さに満ちあふれた精緻巧妙な描写は、長年に渡って虎を描き続けてきた楊氏が成せる結晶といえるでしょう。
猛虎図の権威 楊鴻港 略歴
1949年、中国広西省桂林市生まれ。幼い頃から芸術を好み、特に伝統的な工筆画に深く関心を持つ。1992年頃から数多くの作品を発表し、国家級絵画展に何度も参加して受賞を重ねる。1996年には「国際絵画芸術名人」の栄誉称号が授与され、「工筆王者」と讃えられる。現在、中国画研究会の一級工筆画師。虎を描かせたら右に出るものはいないと評され、猛虎図の権威として活躍の幅を広げている。