御守り・御神鏡に使用される唐花菱の中回し
■いつも日本国民に温かい眼差しを注いでくださる天皇皇后両陛下。皇室の御祖神・天照皇大神をお祀りする伊勢神宮が式年遷宮を迎えられた折、ご参拝におかれては感動的な歌をお詠みになられました。
「あまたなる人らの支へ思ひつつ 白木の冴ゆる新宮(にひみや)に詣づ」。
国民の力で行われた遷宮に優しいお気持ちを表されたことは大きな喜びであると同時に、改めて両陛下が崇敬なさる皇大神によって平和な日本は見守られていると感じずにはいられません。
■この度ご紹介する作品は、伊勢皇大神宮の神職にあられる荒木田守明氏に一点一点、御揮毫いただいた『天照皇大神』。荒木田家は神祭に仕え奉られた天見通命(あまのみとおしのみこと)を祖として、 代々、皇大神の祭祀を務める家系です。本作は同家に伝わる独特な書体でしたためられており、中央の皇大神の神勅を記した朱印は書の神威を際立たせます。
■日本書紀や古事記にも登場する日の神・天照皇大神。古来、日本には国家と国民の守護を願う存在としてその掛軸が祀られてきた歴史があります。偉大なる御祖神を思う両陛下のお気持ちを感じつつ、ご尊家の安寧無事を祈願し、末長くご所蔵ください。