気高い御姿と華麗な光背による息をのむほど美しい仏教美術品
■浄土の光輝(こうき)をまとわれたかのような黄金に輝く本作『聖観世音菩薩』。私たちの悩みに応じて33の御姿に変身し、すべての衆生を救済してくれるとの謂れから「救世菩薩(くぜぼさつ)」との異名をとります。
■本作は西洋の技法を取り入れ、日本美術を革新した偉大な芸術家・高村光雲の傑作をもとに鋳造。贅沢な本金粉塗(ほんきんぷんぬ)りの上に古色仕上げを施した仏教美術の傑作です。
大慈大悲(だいじだいひ)の御心あふれる美しい御尊顔。左足を半歩前に踏み出された流麗(りゅうれい)な御姿は私たちに歩み寄ってくださるかのようです。透かし彫りの雲形光背(くもがたこうはい)も実に見事。この造形美こそ日本近代彫刻の父たる所以です。
■日々の平穏と安息を祈念するにふさわしい御仏。末長くお祀りください。木製黒塗り台つき。桐箱入り。
幕末の1852年生。詩人の高村光太郎、人間国宝の彫金師・高村豊周の父。近代日本彫刻の巨匠。東京美術学校(現・東京芸術大学)教授、文展・帝展審査員など要職を務め、パリ万博の最高賞を受賞し、作品の皇室買い上げ、皇居の御欄間制作の栄誉に浴す。皇居 前の楠木正成像、上野公園の西郷隆盛像は有名である。