日本彫刻史に燦然たる功績を残した巨匠が
齢102にして発表した傑作
■本作『一瀉千里』は、長崎の平和祈念像の制作者として知られ、文化勲章も受章した日本屈指の彫刻家、北村西望氏の作品。驚くなかれ、御年(おんとし)102にして世に送り出した、最晩年の彫像の傑作です。
大理石天板木製台と桐箱、
作者直筆の色紙(複写)つき
作者直筆の色紙(複写)つき
■他の追随を許さない卓抜の彫技によって生み出された虎の威風堂々たる姿は躍動感にあふれ、今にも動きだしそうな大迫力。虎は十二支が成立する遥か以前から、畏(おそ)れる動物として神秘的な存在とされてきました。物事の始まりを象徴し、その力強いイメージから勇気や武勇などの意味を持ち、あらゆる災厄を退散させると伝えられます。
なお、「一瀉千里」の「瀉(しゃ)」は水が勢いよく流れる様子を表し、一気に「千里」を走る、すなわち物事の進み方が非常に速くうまくいくこと、また俊敏な活動力を意味します。
作者銘入り
■日展会長、日本彫塑会名誉会長などの要職を歴任し、近代彫刻史上に不滅の功績を残した世界的芸術家が手掛けた本作こそ、次世代に受け継ぐべき、無上の価値を置く傑作です。ご尊家の格式をいっそう高める芸術作品としてはもちろん、ご尊家の厄を祓い、福を呼び寄せる吉祥芸術としても末長くお飾りいただけます。またとないこの機会にぜひご所蔵になり、西望芸術の真髄に触れてください。桐箱入り、色紙つきです。
現代彫刻界の父 北村西望 略歴
明治17年、長崎県生まれ。東京美術学校(現東京藝術大学)彫刻科で学び、首席で卒業。第9回文展で初入選し、第10回文展では特選主席。昭和30年、長崎では特選主席。昭和30年、長崎に「平和祈念像」完成。昭和33年、文化勲章受章、文化功労者顕彰。その後、日展会長・名誉会長、日本彫塑会名誉会長などの要職を歴任。昭和62年、104歳で逝去。