令和最初の輝かしい新年を飾る完全新作!
世界で活躍する現代木版画の第一人者が
日本の世界遺産が魅せる神々しき風景を作り上げた傑作
一点一点画魂を込めた、弊社限定作品
「平成時代が幕を降ろし、令和という輝かしい時代を迎えたいま、日本の素晴らしい風景を未来永劫に遺したい――」
世界的木版画家・宮本秋風画伯が画業50周年の古稀記念作品に選んだ画題。それは、日本の世界遺産が魅せる、神宿るかのような絶景でした。これまで画伯は日本全国に足を運び、世界遺産の情景を幾度もスケッチしてきましたが、その中でも特に心が揺さぶられ、感動した4つの風景を厳選。日本には八百万の神々が宿るという、古来の思想や文化を深めるなど、2年半もの構想と創作期間を経て、渾身の木版画作品の完成にたどり着きました。眺めているだけで力が湧き出てくるような神々しき春夏秋冬の情景を心ゆくまでご堪能ください。
木版画家が描く未来に残したい日本の情景
この度ご紹介する『神々の国 日本』は50年にわたる熟達の技巧を一枚一枚に注ぎ込み、春夏秋冬を描き出した木版画4作揃えです。「御神渡りの朝」は富士と湖が魅せる、奇跡の共演を捉えた縁起の良い一枚。「幽玄の滝」は臨場感たっぷりの那智の滝の前にそびえ立つ、朱塗りの三重塔と春爛漫の桜が印象的です。「母なる森」は初夏の木漏れ日が降り注ぐ白神山地の原生林を、生命を育む母のような温かさで伝える作品。「神宿る島」は幻想的なまでに後光を放つ沖ノ島の情景を描き尽くしています。
いずれも膨大な時間と労力をかけ、彫りから摺りまで画伯がたった一人で創作した木版画の傑作。画竜点睛ともいうべき仕上げには煌めく「雲母振り」や「金箔散らし」、グラデーションを生む「ぼかし摺り」などを駆使することで、神秘性、光の加減、陰影など大自然が放つ息吹を一つ一つ作品に込めていきました。
本作は個展や展覧会でもご入手いただけない東京書芸館オリジナル作品。一年を通じて、掛け替えてお楽しみいただける春夏秋冬の4作揃えを、お値打ち価格でお届けします。寡作で知られる画伯の記念碑的な木版画作品となれば、その所蔵価値は計り知れません。
世界限定200セットの制作のため、頒布は先着順となります。金色仕上げの専用木製額つき(裏には筆者直筆サイン入)。また、今回作品をお求めいただいた先着20名様に、宮本秋風先生の直筆サイン入りファイルを無料進呈いたしますので、今すぐにお申し込みください。
冬 御神渡りの朝 24版28度摺
- 富士山 「富士山〜信仰の対象と芸術の源泉」(2013年世界文化遺産登録/静岡県・山梨県)
雲母振り
湖上に蛇行しながら続く御神渡り。神々が通った跡とされる「氷の道」には、「雲母振り」を施し、きらめく結晶を見事に表現しました。冬の凛とした空気、冷たい風の流れによって表情を変える、氷の自然の営みまで捉えた描写力は圧巻というほかありません。
紫色を帯びた夜が明ける頃、うっすらと茜色に染まる空に、堂々とそびえる霊峰富士。降り積もった白い冠雪、凍結した河口湖が冬の凍てつく寒さを伝えます。いつも見守るように佇む日本の象徴は、私たちの心の故郷であり、また芸術を志す者においては、欠かすことのできない永遠のテーマでもありました。
画伯も富士に魅せられた画家の一人。描かれる「御神渡り」は、富士と湖が生み出した奇跡の共演ともいうべき光景です。湖が凍り、膨張と収縮を繰り返して生まれる「氷の道」は麓の浅間大社まで続くとされ、神の通った道として崇められています。温暖化が進んだ今では滅多に見られない荘厳な富士の光景。眺めるだけでたいへん縁起も良く、お正月やご慶事にふさわしい一枚となるに違いありません。
春 幽玄の滝 21版25度摺
- 那智の滝 「紀伊山地の霊場と参詣道」(2004年世界文化遺産登録/和歌山県)
雲母まぶし
滝から立ち上る水煙は細目の雲母まぶしで表現。天空になびく雲のように広がり、ひんやりとした空気まで伝えます
豊かな大自然に抱かれるように、昂然とそびえ立つ朱塗りの三重塔。その奥で白糸のように流れ落ちる那智の滝。画面に見入っていると静寂の中に響き渡る瀑布の音まで聞こえてきそうな臨場感です。古くから熊野那智大社の別宮・飛瀧神社のご神体として崇められ、歴史的仏画にも描かれてきた那智の滝。春爛漫と咲き誇る桜が修験道の霊場を幽玄華麗な世界に一変させます。大自然への畏敬を感じずにはいられない神々のご加護に満ちた情景を描いた一枚です。
夏 母なる森 20版26度摺
- 白神山地 「白神山地」(1993年世界自然遺産登録/青森県・秋田県)
一文字ぼかし
降り注ぐ神秘的な光は一文字ぼかしを駆使。版木で直線的にぼかしたい部分を水で濡らし、絵具を置くことで生まれます。
どこまでも深い森の樹々から木漏れ日が降り注ぐ神秘的な光景。優しく包み込む光のカーテンは、母のぬくもりのような温かさを感じずにいられません。人為的な影響をほとんど受けていない、手つかずのブナの原生林が残る白神山地。そこで育まれる生命の営みを、画伯は「神の光」で表現しました。鬱蒼と生い茂る初夏の緑、静けさ漂う朝霧の中に差し込んだ光は、人知を超えたパワーに満ちており、貴方様に希望や活力を与えてくれることでしょう。
秋 神宿る島 12版15度摺
- 沖ノ島 「神宿る島―宗像・沖ノ島と関連遺産群」(2017年世界文化遺産登録/福岡県)
金箔散らし(砂子振り)
水面に映る月明かりは何種類もの彫刻刀を使い分け、たゆたう波を表現。その上から金箔を散らすことで美しく煌めく海を作り上げました。
画伯の故郷・福岡県にある「宗像・沖ノ島と関連遺産群」。描かれているのは、ヨット乗りが趣味だった若かりし頃、画伯が実際に目の当たりにした光景です。一点の曇りもない十六夜の月明かりに照らされた絶海の孤島。古くから島自体がご神体と崇められていた「神宿る島」が後光を放つ瞬間を見事に捉えています。海の正倉院と呼ばれるほど、太古の祭祀遺産が眠る孤島は、2018年以降、人の立ち入りが全面禁止となり、まさに日本最後の秘境となりました。
こだわり抜かれた究極の木版画表現
アメリカのボストン美術館をはじめ、ドイツやニュージーランドなど世界有数の美術館に作品が収蔵される宮本秋風画伯。日本の美しき情景を描いた作品が発表される度、国内外から注目を集める木版画界の巨匠です。
若かりし頃、油絵画家・飯岡修氏に師事し、油絵を修得しながらも、当時珍らしかった木版画への道に進んだ宮本画伯。油絵が主流だった当初こそ理解者が少なかったものの、やがて画壇の注目を浴びるようになります。それは、画伯自らが編み出した《自画・自彫・自摺》の技術にありました。
木版画は、絵は絵師、彫りは彫師、摺りは摺師という具合に専門職人が分業制で行うのが通例です。しかし、画伯は画・彫り・摺り・仕上げまでの全工程をたった一人で行います。これは熟練の彫師・摺師といえども、繊細極まる画伯の表現に応えられないという理由と、自らの構想を自彫・自摺で表現したいという強い意志の表れでもありました。画伯自ら直接版木に彫り込むことから《刀で絵を描く画家》とも呼ばれています。
他にもグラデーションを生み出す画伯独自の「ぼかし摺り」や「雲母振り」「金箔散らし」などの技法を織り交ぜながら、木版画の研鑽に50年努めてきた画伯。こうして、木版画で成し得る表現の幅を広げた功績が高く評価され、有名美術館に作品が収蔵されるまでに至ったのです。70歳になられた今も、木版画に対する情熱を注ぎ、創作に励んでいます。
自画
実際に宮本画伯が現地まで出かけ、心に刻まれた情景をスケッチ。この絵を参考にしつつ、画伯自ら版木に直接彫り込んでいきます。
自彫
版木に刃を入れモチーフを転写。凸部を残して不要な部分を取り除いていきます。一度の失敗も許されない高度な技が求められます。
自摺
何十枚も彫り上げた版木にムラなく着色して、一枚一枚摺り上げる技。微妙なにじみやぼかしを確認しながらの作業は繊細さを極めます。
これぞ、画竜点睛というべき荘厳な「仕上げ」
〜緻密を極めた技の数々〜
金箔散らし(砂子振り)
粉末状にした数ミリの金箔を、網を張った竹筒に入れ、散らして装飾します。絶妙な加減で金箔を散らすことで作品を華やかに彩ります。(右の写真内:左上)
雲母摺り
キラキラした雲母(うんも)の粉末を用いて、木版で摺り込む江戸時代以来の技術。落ち着いた輝きで、質感や陰影を生み出します。(右の写真内:右上)
雲母振り(5段階)
完成した木版画に、粒子の大きさが異なる5段階の雲母を膠(にかわ)の上に散らします。荒目にするか細目にするかは、作者の腕の見せ所。光の強弱や角度を変えれば、キラキラと光り、画面を彩ります。本作では御神渡りの氷の道や霞、木漏れ日、満月の月明かりなどに用いられています。(右の写真内:左下(細目)、右下(荒目))
〜宮本秋風画伯 略歴〜
宮本秋風先生の作品を所蔵する世界の美術館
ボストン美術館、ロックフェラー記念美術館、アジアソサエティ美術館(アメリカ)、オークランド美術館(ニュージーランド)、エンドレス・ハウザー美術館(ドイツ)、イスラエル国立美術館ほか所蔵館多数
昭和25年 福岡県新宮市に生まれる
昭和44年 東京で油絵画家・飯岡修画伯に油彩を師事
昭和50年 京都に移住。この頃、油彩から木版画に関心を移し、独自の繊細な技法を研鑽
昭和57年 作品がボストン美術館、ロックフェラー記念美術館などに買い上げられ、世界的に注目される。以降、シアトル(米)、ロンドン、パリなど、海外でも個展を精力的に開催
平成14年 アメリカのシアトルにアトリエを構える
平成17年 画業35周年を記念して『川霧』、『蒼い朝』を制作し、東京書芸館より発売。初めての木版画集『宮本秋風木版画集』を出版する
平成25年 画業45周年を記念して『季節の風景』10点揃えを制作。東京書芸館より発売
平成29年 『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群を題材にした二〇一七年のカレンダーを制作
平成30年 『神宿る島』のオリジナルフレーム切手を限定3000シートで発売
令和元年 画業50周年と古稀を記念して東京書芸館より本作『神々の国 日本』を制作・発売
京都画廊選抜展賞、86年度芸術クラブ賞、東京都版画大賞入選ほか、受賞歴多数
CWAJ(アメリカンクラブ)版画展招待作家。
そごう、大丸、伊勢丹などの有名百貨店、東京丸善画廊、神田画廊ほかで多くの個展を開催