※現在は「長野県立美術館 東山魁夷館 東山魁夷館元館長・松本猛」となっております。
澄み切った水の底から沸き起こるオーケストラ、
エメラルドの森に迷い込んだ白馬が奏でる郷愁の旋律!
昭和の国民的画家が多くの人々に感動を与えた代表作から、
日本美を愛でる喜びと森の涼味を感じ取ってください。
東山作品といえば白馬のいる風景!あまりに有名な代表作
■エメラルドを想起させる緑の森に迷い込んだ一頭の白馬。その幻想的な光景を鏡のように映す水面。風のない早朝の御射鹿池は微かなさざ波さえもなく、静謐な雰囲気を醸します。この恍惚の世界に目を奪われていると、池の底から立ち昇るように壮大なオーケストラが聞こえるような感覚が込み上げてくるではありませんか。それもそのはず、東山魁夷は本作について「モーツァルトのピアノ協奏曲イ長調(K四八八)の第二楽章の旋律が浮かんできた※」と語っています。静寂に包まれた森に響きわたるオーケストラと白馬が奏でるピアノ独奏は、まさしくモーツァルトの協奏曲のよう。そして、いつしか見る者は時の経つのも忘れ、自然が発散する清澄な空気と瑞々しい新緑の香りに包まに包まれ、旋律の絵画が生み出す色彩の魔法によって安らぎの世界へと誘われるのです。
※東山魁夷「白い馬の見える風景」について(日本経済新聞社「日経ポストカードブック白い馬の見える風景」、2000年)
東山ブルーを基調にした絶世の色遣いや画力に感動!
■もちろん、流れゆく時を感じさせる圧倒的な画力も見事というほかありません。池の前を通り過ぎようとする白馬は、刻々と変化する自然との一期一会、一瞬の季節の美を演出します。また、奥へ向かって陰影を濃くする樹々、透明感あふれる池の水の描写も筆舌に尽くしがたい美しさです。これは「東山ブルー」と称される至高の青を基調とした唯一無二の色配合が実現した賜物。青の岩絵具と粉絵具に他の色を溶き合わせることで無数の緑色を生み出すのです。
■74歳の時に円熟の筆で描かれた代表作。幅58㎝もの存在感で絶世の色調を隅々までご堪能いただけます。さらに、この度は壮麗さを引き立てる銀色高級仕上げの「特製木製額」に納めて復刻。厚みある風格の「浮き出し加工」は和洋問わず空間を格調高く彩ります。原画が誇る清涼な色彩と深みのある再現度に東山魁夷著作権承継者が許諾した復刻画とあって所蔵価値も格別です。額面裏には真正性を証明する承認印とエディションナンバー入りの証紙。原画の所蔵美術館である長野県立美術館・東山魁夷館元館長の松本猛氏の解説つきでお届けいたします。今回の頒布は限定800部のうちわずか20点のみ。この機会をお見逃しのないようお早めにお申し込みください。
神秘の輝きを放つ鏡のような水面 御射鹿池
東山魁夷 略歴
1908年生まれ。1929年、東京美術学校日本画科に在籍中、第10回帝展にて「山國の秋」が初入選。1931年、日本芸術院会員であった結城素明に師事。1947年、第3回日展で特選を獲得した「残照」が政府買い上げの名誉に浴す。1968年、皇居新宮殿壁画「朝明けの潮」を完成。1969年、文化勲章受章とともに文化功労者となる。1974年、日展理事長に就任。1975年、唐招提寺障壁画「山雲」「濤声」を完成。このほか、浴した賞歴・栄誉は数知れない。1999年、享年90で惜しまれつつ逝去。逝去後、勲一等瑞宝章を受章する。
先端技術により東山作品の輝ける絶世の色彩・色調を克明に再現!
本作には東山魁夷の至高の色彩を再現すべく、人の視覚へより近づけることを可能にした先端技術が採用されています。画像を色相・彩度・明度の要素を持った粒子に分解、再構成することによって、従来の印刷技術ではなし得なかった中間にある多様な色彩や絶世の色調が実現されています。さらに、こうしてデジタル加工された画を、美術鑑賞用の高級アクリルガラス(UVカット)に丹念に貼り合わせました。アクリルを載せる理由は作品が奥行を生み、より味わいを増すからです。また、紫外線による退色や酸化による劣化を防ぎ、長期にわたって色鮮やかな世界をご堪能いただくことができます。
銀色高級仕上げ浮き出し加工「特製木製額」
特製木製額は銀色高級仕上げが格調高く、重厚な浮き出し加工です。
東山魁夷著作権承継者の承認印入り証紙
※2021年4月に「長野県信濃美術館・東山魁夷館開館」から「長野県立美術館・東山魁夷館開館」に館名変更をしております。