名匠画廊 第20号

謹啓

　平素は格別のご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。大好評を博している『名匠画廊』も、第二十号を迎えることができました。長きに渡って、心のオアシスとなる名作絵画の数々をご案内できることを、たいへん嬉しく思っております。さて、言うまでもなく絵画や墨蹟といった芸術作品は、心に焼き付いた一瞬を表現するため途方もない時間と研ぎ澄まされた技術を用いて表現されるものです。作品がお部屋に潤いをもたらし心に安らぎと彩りを与えてくれるのは、手掛けた名匠たちの情熱の一片に触れられるからではないでしょうか。今回も『名匠画廊』では、厳選した傑作を多数ご用意しております。芸術の秋にふさわしい美術品の数々を、ぜひご覧ください。

　まずは日本の秋の風情を感じられる２作品。巻頭を飾るのは、花鳥図を極めた京絵師・出口華凰画伯の肉筆画『錦秋』です。氏の得意するにじみやぼかしの技法により、奥行きのある一枚に仕上がった本作。まさに錦のごとく秋を彩る紅葉の葉は、季節を感じるのにぴったりです。封筒裏には鈴木優莉画伯の『錦秋富士』のご案内。赤く染まった手前の木の葉と、その背後に広がる冠雪の富士というコントラストが絶妙です。

　ご好評をいただいている近代・現代の美人画も複数ご用意。大正ロマンの代名詞である竹久夢二画伯の『トランプ』『春恋し』に始まり、現代美人画の巨匠・鶴田一郎画伯の『What a difference a day makes』。さらに今回は、神秘と気品を秘めた筆触で女性の美を描き続けるジャン・ピエール・カシニョール画伯の貴重な肉筆カラーデッサン画『DANS L'ATELER～アトリエにて』を１点限りですが確保することに成功しました。別紙でも数々の前衛美人画で古今東西に多くのファンをつくった東郷青児画伯の『バラ一輪』をご案内しております。弊社でもようやく確保できた逸品。この機会をお見逃しなく。

　日本画の巨匠たちが遺した名画の数々も見逃せません。横山大観『正気放光』をはじめ、平山郁夫『寧楽の幾望』や東山魁夷『冬の旅』。いずれも、数々の名作の中でも特に人気の高い逸品です。また、大観にその早すぎる死を惜しまれた速水御舟の『炎舞』は、闇に煌々と燃える炎の様子が、不思議と心を落ち着かせてくれる１枚。さらには彼らにも大きな影響を与えた尾形光琳の『竹梅図屏風』を原寸大でご案内しております。最近は洋室に屏風を飾る方も増える中、光琳の構図や色使いは和洋どちらのお部屋にもぴったりです。

　海外作品からは印象派の名画を中心に取り揃えました。日本でも人気の高いフィンセント・ファン・ゴッホ『アルルのはね橋』をはじめ、初期印象派を語るうえで外せないベルト・モリゾ『立葵の咲く庭にいる子供』、孤高の印象派画家であるエドガー・ドガの『エトワール』まで、誰もが一度は目にしたことがあるであろう名画ばかりです。

　いずれの作品も自信をもってご案内する傑作。貴方様の琴線に触れる作品と出会えることを願っております。数に限りのある作品が多くありますので、お申し込みはお早めにお願いいたします。

　謹白

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